―尼港事件(6)― トリャピーツインは、ユダヤ系ロシア人で当時は23歳であった。 詳細の経歴は不明だが、帝政時代はペテルブルクの金属工場に勤め、第一次世界大戦に召集されて下士官に昇進したと言われている。 共産党員ではないが、「無政府共産主義者」を自称し、ウラジオストク近郊のパルチザン部隊に加わった。 組織活動と軍事活動の才能が認められ、ハバロフスク地区に迎えられ、次いで「第四パルチザン地区隊長」に任命されてニコラエフスクに派遣された。 一行は行く先々で歓迎され、各村で「革命組織」を「志願兵」などで補充拡大しながらニコラエフスクを目指したが、日本部隊が小兵力であることも近づくにつれて分かり、ト …
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