新作映画が出るたびに、どの映画を観ようか悩む人も多いのでは?シリーズ「シネマティック・ロンダン」では、フリーアナウンサーであり、映画パーソナリティーでもある津田なおみ氏による、おすすめ映画のレビューをいち早くご紹介します♪
好きな俳優は誰?と聞かれると、「オードリー・ヘップバーン」と答えるわたし。今でも、ファッションもあの笑顔も、存在の透明感も他の女優には醸し出せないものがあります。 本作は、オードリー・ヘップバーン初のドキュメンタリー映画です。過去の貴重なアーカイブ映像と、彼女の近親者へのインタビューによって構成されています。特に、息子や、彼女が晩年を過ごしたスイスの家の庭師の言葉は、個人としてのオードリーの姿が立ち上がってくるのです 前半は、戦争に翻弄された辛い子供時代に加え、『ローマの休日』でスターの仲間入りをしてからの輝かしい姿を捉えます。後半は、自身の子供への深い愛情、晩年のユニセフ国際親善大使として …
アニメーション映画のヒット作はいまや、ディズニーやピクサーだけではありません。バナナのような形で、全身黄色のキャラクターが多数登場する『ミニオンズ』の世界的ヒットを生んだイルミネーション・スタジオは、続々とアニメーション映画を生み出しています。2017年日本公開の『SING/シング』は世界的大ヒットとなり、近年のミュージカル映画ブームのアニメーション部門の牽引役となりました。今回、ご紹介するのは、その続編です。 前作から5年。コアラの支配人バスターの奮闘で、ニュー・ムーン劇場は見事復活。あがり症の象のニーナ、25匹の子豚がいるロジータや元ギャングのゴリラのジョニーなど、仲間も活躍して、劇場は連 …
米国映画の発展に、ミュージカルが果たした役目は大きいと言われています。特に、1950~60年代の作品には『雨にぬれても』や『サウンド・オブ・ミュージック』など、今も語り継がれ、歌い継がれている名作が多いことからもお分かりになるでしょう。 その中で異彩を放つのは、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」の舞台をニューヨークに置き換え、ブロードウェイで初演し映画化された「ウエストサイド物語」です。ミュージカルと言えば、とにかくゴージャスに歌やダンスを堪能するエンターテイメントでした。ところが、この作品では、恋する二人の背景に人種間の差別や偏見を書き加え、社会性を前面に押し出しました。ここが新し …
半世紀以上、一線で活躍し続けているクリント・イーストウッドの監督デビュー50周年の記念作がやってきます。本人が主演する落ちぶれたカーボーイと少年との交流を描いたロードムービー。30年ぶりに魅せる彼の乗馬姿に往年のファンは感動するはずです。 1979年の米テキサス。ロデオ界の元スターのマイク(クリント・イーストウッド)は、落馬事故をきっかけに家族とも別れ、今は孤独な一人暮らし。部屋に飾られているトロフィーや新聞記事などが花形選手だったことを物語っています。ある日、彼は元雇用主に息子のラフォ(エドゥアルド・ミネット)を、薬漬けになっている母親の元から連れてくるように頼まれます。はじめは渋ってい …
この映画は、今年5月に開催されたカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に選出され、スタンディングオベーション受け、高評価を得た作品です。私は、日本で公開されるのを心待ちにしていました。 タイトルは「ONODA一万夜を越えて」 これは人の名前です。そう、あの「小野田寛郎」さんのことです。 皆さんもご存じのように小野田さんは、1945年太平洋戦争終結後もフィリピン・ルバング島で戦いを続け、74年に51歳で日本へ帰還、“最後の日本兵”として知られている人物です。 終戦後も任務解除の命令を受けられないまま、ルバング島で約30年間、過酷なジャングルの中で過ごした小野田さんとその部下のサバイバルな生 …