(その12)で述べたノーマンの近衛公に対する評価と比較するために、木戸幸一に対する記述を以下同様に述べてゆく。 (その12)と同様に「ハーバート・ノーマン全集 第二巻」(岩波書店 大窪愿二編訳)から引用。(≪≫内は筆者による注) ・「侯爵木戸(幸一)は、…」で始まる書き出しだが、近衛公の場合は「近衛は故近衛篤麿の長男で、…」であり、明らかに筆勢は異なっている。 “Duke Konoe”(近衛公爵)、“Marquis Kido”(木戸侯爵)とこの時点では呼称するのが礼儀であり、誤訳なども考えにくい。ノーマンが意図的に近衛公を犯罪者扱いとし、木戸には親しみを込めて爵位を付けた正式呼称を用いたと考え …
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