古本 尚樹の防災channel

東日本大震災から10年を迎えるにあたり

東日本大震災から10年を迎えるにあたり、教訓を活かす。 新型コロナ禍で自然災害にどう立ち向かうか (1)阪神・淡路大震災からの教訓  先日、福島沖で震度6強を記録する地震が発生した。   今も余震が発生して当分は警戒が必 …

東日本大震災から10年を迎えるにあたり、教訓を活かす。

新型コロナ禍で自然災害にどう立ち向かうか

(1)阪神・淡路大震災からの教訓

 先日、福島沖で震度6強を記録する地震が発生した。 

 今も余震が発生して当分は警戒が必要だ。来月には東日本大震災から10年を迎え、節目の年である。東北沖は地震震源の「巣」ともいうべき場所で、常に警戒が必要だ。復興と被災の繰り返しが、今日本が置かれた現状なのだ。過去の災害事例を学び、今後の防災・減災に生かす取り組みが必要である。

 そこで、東日本大震災発災以前との変化から精査する。東日本大震災以前における大規模災害として、26年前の阪神・淡路大震災を挙げる。この阪神・淡路大震災では建築基準法の改正におけるきっかけにもなった。いわゆる直下型地震の恐ろしさを提示するものだった。基本建物の1階ではなく2階で就寝したほうが安全との指摘がされた。大規模な火災が発生したが、それを消火するのに消火栓から水が出ない、消火栓からのホースが届かないなどの課題もあった。いわゆるインフラ被害が大きく、例えば水道が断水し、衣類の洗濯を近くの川で行う風景や、風呂が使えず銭湯が利用できるようになった際には大行列にもなっていた。地震直後、兵庫県では127万戸が断水。数週間以上にわたる断水生活を余儀なくされた。当時の「声」として、「水くみに始まり、水くみに終わる毎日」「食器にサランラップを巻いた。食器を洗えないので汚さない工夫」「ビニール袋を二重にして水を入れた」等が上げられた。

 避難所の運営でも課題が多くあった。各避難者との間隔が狭く雑然として、パーティションのないプライバシーがむき出しの状態も多かった。被災者への物資提供においてもサイズなどの区分が明確でなく、配布にあたって、被災者自身が自ら選ぶ煩雑な環境も多かった。

 そこで、阪神・淡路大震災を受けて、必要な主なものをあげると、飲料水一人1.5L程度、チョコレート、キャンディー、などと乾パンなど。

 水道が使えれば、バスタブに水を溜める。理由は断水によりトイレの水が出なくなることに備えるためである。ヘルメット・防災ずきん・帽子、手袋(作業用)、運動靴(ガラスを踏まないので便利)、懐中電灯(予備電池・電源も)。ハサミ、ナイフ、救助・避難はしごの代用でロープ(10m程度)。携帯ラジオ、身分証明書(そのコピー)、筆記用具、油性マジック(メッセージを書くため)、現金(当時は公衆電話が主流だから)、救急用品セット、とげ抜きで毛抜き、常備薬、マスク、簡易トイレ、トイレットペーパー、ウェットティッシュ。一方、使い捨てカイロや防寒毛布は冬期間では特に必要。タオルやポリ袋、ビニールシートや、ライター、布ガムテープ、雨具、風呂敷、予備乾電池、新聞紙、段ボール等が挙げられる。避難所ではパーテンションや卓球台が必要とされる。

(2)東日本大震災発災を受けての課題

 東日本大震災では津波による犠牲が大きかった。またガソリンなど物不足の影響、避難所として指定されていない場所が避難所となった例が多い。仮設住宅が広範囲だったり、要配慮者対策も課題となった。被災地においては、無人となった家屋や店舗を狙った侵入窃盗が増加したほか、全国で義援金名目の詐欺や悪質商法等、大震災に便乗した悪質な犯罪が散見された。広範囲な地震動が生じたことから、首都圏において、鉄道の多くが運行を停止したこと等により、多くの帰宅困難者が発生した。また、多くの人がすぐに帰宅を開始したため、駅周辺や路上等において混雑・混乱が発生した。

 他にも多くの想定外の案件が生じている。東日本大震災後追加で必要な主なこととして、津波による体温低下を防ぐのに、代わりの衣服、下着類の確保が必要だ。燃料不足に備えて、ガスカートリッジや燃料の確保、電気自動車からの電源確保も考慮されるべきだろう。情報に関してはSNSが発達しているので、いわゆるデマに惑わされないにする。スマートフォンのバッテリーなども用意したい。そして公式情報を選択する。帰宅困難にならないように、無理に帰宅はしない心がけも必要だ。

(3)新型コロナ禍での大規模地震など自然災害対策(複合災害対策)

 新型コロナ禍で主に必要なものは以下を挙げる。

 避難所に行く場合をも想定して、必要な用品を準備する。なお、通常の防災用品に加えて、例えばかかりつけ医がいる医療機関への通院患者などは、普段利用している薬もしくはお薬手帳を忘れない。新型コロナ対策として、避難所に必要な備品が不足する可能性に備えて、マスク、体温計、消毒液、スリッパといった衛生用品、除菌ウェットティッシュ、除菌スプレー等も持参する物に加味してもらいたい。他者と共有しないように、各自単独で使用することを想定しなくてはならない。

(4)東日本大震災の教訓から学ぶべきこと

 災害に備えて、最低3日間非常事態を過ごせる上記のような用品(最低限必要な用品を選択し)はそろえておいたほうがよい。また季節によって今のような冬期間だと防寒用品も必需品である。「想定外」というキーワードがよく使用されたが、その「想定外」は規模こそ違っても多くの大規模災害ではそれに遭遇する。問題なのは、その「想定外」でも慌てず、混乱を最小限にできるような訓練と、知識を積み、その上で必要な備品をそろえる、準備することである。特に最近はスマートフォンなどで情報を得ることが多いし、ツイッターでは災害時頻繁に被災状況が更新される。便利なツールだ。だから、その電源確保も欠かせない。ただし、先述のように、正しい情報のみを得ることに注意する必要がある。間違った情報に決してアクセスしてはならない。普段からハザードマップ等で避難経路等を確認し、家族等と万が一の安否確認の方法を確認しておくことが重要だ。一方、高齢社会の到来を踏まえ、高齢者を家族や地域社会で守れるかは課題となっている。支える側も高齢化する傾向もある。こうした部分は、ボランティアやNPOなど民間活力をどのように活かすか、鍵になるだろう。

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