お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

【城の歴史46】日本最後の城・園部城

江戸幕府の象徴とも言える「城」の築城が、明治新政府によって許可された例を知っているでしょうか。それは、兵庫県南丹市にある園部城(そのべじょう)です。 園部藩は、江戸時代初めの元和5年(1619)、外様大名・小出吉親(こいで よしちか)が、出石城(いずしじょう・兵庫県豊岡市)から園部に入封したことにより誕生しました。園部藩の藩庁として機能していた場所が「園部城」なのですが、当時は「城」ではなく「陣屋(じんや)」という扱いで、「園部陣屋」と呼ばれていました。 江戸時代の大名は、城を持つ城主大名と、城を持てない陣屋大名に厳格な区分をされていました。園部藩は2万9千石の石高のため、幕府の制度上、城を持 …

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