お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

【城の歴史10】鎌倉時代以降の武士の住まい

平安時代末期の院政や源平の争乱を経て、武士の棟梁となった源頼朝(みなもとのよりとも)は鎌倉に幕府を開きます。頼朝は、武士団にみられる主人と従者(家人(けにん))の主従関係を幕府の根本にすえ、将軍は御家人(ごけにん)と呼ばれる従者に御恩(ごおん)を与え、御家人は将軍に奉公(ほうこう)する制度を整えました。いわゆる「御恩と奉公」という、相互に義務を負う契約的な主従関係です。この主従関係に基づく社会制度を封建制度と呼びます。 今回ご紹介するお城は、この将軍と主従関係を結んだ御家人の住まいです。御家人は、領内の重要拠点に土塁や堀などに囲まれた「館(やかた)」に住んでいました。この館が、お城の定義に該当 …

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