お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

三英傑の城づくり① 織田信長の城郭戦略

三英傑の織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の性格の違いを表現した「ホトトギスの句」があります。信長は「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」と、秀吉は「鳴かぬなら 鳴かせてみせよう ホトトギス」、家康は「鳴かぬなら 鳴くまで待とう ホトトギス」と詠んだと伝わります。 これは、南町奉行を歴任した旗本の根岸鎮衛(ねぎし しずもり)の、江戸中期の随筆『耳嚢(みみぶくろ)』に書かれた古物語の話から広まったと言われています。筆者の鎮衛も、彼らの歌をリアルタイムで聞いた訳ではないので脚色はもちろんされているでしょうが、この3句の表現は言い得て妙です。 3人の城づくりは、このホトトギスの句のように三者三様の戦略の …

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