お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

城主の住まい「御殿」の楽しみ方

「お殿様はどこに住んでいたの?」 お城案内をしていると、こんな質問をよく受けます。お殿様である城主は、城の中心である「天守」で暮らしていると多くの方は思っているようです。実際、私もそう思い込んでいました。 城のシンボルである天守で暮らしたのは、織田信長だけだったと言われています。さすが時代の先駆者・信長です。ほかの多くの城主は「御殿」という立派な屋敷に住んでいました。現存する御殿は、全国に4つ。本丸御殿は川越城(埼玉県)と高知城(高知県)に、二の丸御殿は掛川城(静岡県)と二条城(京都府)に残っています。 御殿の特徴は、何と言っても部屋数の多さでしょう。用途だけでなく利用する人物や格式によって細 …

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