お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

【城の歴史48】宮内省管轄の離宮になった城

明治6年(1873)の廃城令により「存城」として存続を認められた城は、陸軍省の管理下に置かれて軍用として利用されることになりますが、存城となった城の中には、陸軍省の管理を離れて別の役割を担うことになる城がありました。それが「離宮」となった城です。離宮とは、皇居のほかに定められた皇族方の宮殿のことです。城の管理は陸軍省から宮内省へと移管され、皇族が宿泊をしたり、国内外の賓客を迎える場として利用されました。 「二条城(京都府)」が離宮となったのは、明治17年(1884)のことです。二条城には、江戸時代初期に後水尾天皇が行幸をした際に建てられた荘厳な「二の丸御殿」や「唐門」などが現存しています。それ …

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