お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

日本人の心に響く桜のはなし

少しでも日差しに春を感じると、やはり待ち遠しいのは「さくら」です。日本人は、本当に桜が大好き。桜を愛でる習慣は、日本の伝統文化のひとつです。 奈良時代からはじまった花見の風習は、貴族や武家など限られた人たちだけの楽しみでした。その花見が庶民にも普及するきっかけを作ったのは、江戸幕府8代将軍の徳川吉宗だったと言われています。吉宗が行った「享保の改革」では、緊迫する幕府財政を立て直すため、庶民にも厳しい倹約が命じられました。そんな強硬な改革に対する人々の不満を解消しようと、桜を植え、花見を推奨したのが吉宗です。それによって現在と同じく桜の下に集い、食べて飲んで笑って大いに楽しむ、おおらかな花見文化 …

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