お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

城の礎 石垣はどのように築かれているのか?

石垣は、天守のように華やかな存在ではありませんが、近世城郭にとって必要不可欠な重要構造のひとつです。その石垣の元となる石材は、例えば大阪城の場合には六甲山系の山々や瀬戸内海の島々から、江戸城の場合には伊豆半島の東海岸から主に供給されました。前回の記事では、大阪城石垣の採石場である小豆島の石切丁場についてご紹介しています。 今回は、城の礎ともいえる石垣がどのように運ばれ、どのように築かれたのかを大阪城を例にご紹介します。 大阪城の石垣に使われた石材の総数は、100万個を超えるといわれています。このように大量の石材を、城からはるかに離れた石切場からどのように運んだのでしょうか。 瀬戸内海の島々にあ …

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