お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

琉球の城「グスク」

沖縄の城というと、まず思い浮かべるのは「首里城(那覇市)」でしょう。けれど、首里城だけが沖縄の城、つまり琉球の城ではありません。実は沖縄や奄美諸島など周辺の広い範囲にわたって、300を超える数の城が点在しているのです。その琉球の城は、総称して「グスク」と呼ばれています。 そして、首里城・今帰仁城(なきじんぐすく)・座喜味城(ざきみぐすく)・勝連城(かつれんじょう)・中城城(なかぐすくじょう)の5つの城が、『琉球王国のグスク及び関連遺産群』として2000年に世界文化遺産に登録されました。今回は、世界遺産のグスクを中心に、琉球の城の特徴をご紹介します。 グスクの特徴①:曲線を描く城壁 上部1枚目の …

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