全日本作法会で20年以上、作法に携わり、企業や大学にてマナー研修を実施している筆者が送る日本の礼儀・作法に関するチャンネル。 一口に礼儀・作法といってもそこに隠されている、込められている日本の心、文化について発信していきます。
7月は和名月で「文月(ふみつき)」です。 語源の由来は「文疲月(ふみひろげづき)」、書を広げて晒すという意味から、または稲穂の実りの時期が近づくという意味の「穂含み月(ほふくみつき)」からという説もあります。 七夕にちなんで「文披月」説が有力です。七夕には短冊に願い事を書くという慣習がありました。七夕の夜、里芋の葉に溜まった夜露で墨をすり、梶の葉に書いて、書の上達を祈願したそうです。 梶の木は神木として尊ばれ、神社などに植えられていました。その葉は供物の器として使われます。まだ、紙がない時代、梶の葉に願い事をしたため、短冊として使っていたのです。画仙紙には梶の木が使われています。 文字 …
今年もそろそろお中元について考える時期がやってきました。テレビのCMでも「夏のご挨拶♪」と流れています。 そもそも何故、夏の贈り物をお中元と言うのでしょう?「中元」とはどのような意味があるのでしょう。古代中国の道教に由来する行事に「三元」があります。三元とは、龍王の孫である三官大帝(龍王の3人の娘と人間である陳子椿との間に生まれた)の誕生日です。 三元 日付(旧暦) 日付(新暦) 神 神徳 上元 1月15日 2月上旬~3月上旬 賜福大帝・天官大帝 福を与える 中元 7月15日 8月上旬~9月上旬 赦罪大帝・地官大帝 罪を赦す 下元 10月15日 11月上旬~12月上旬 解厄大帝・水官大帝 厄 …
七夕(たなばた・しちせき)は五節供の一つです。旧暦の七月七日は新暦では、今年は8月14日となります。そもそも節供とは、平たく述べますと節日に神様にお供えをして、日々の穢れを祓い、行事や日々の生活の無事、農作物の豊穣を祈る慣習です。日本には日本ならでの習わしがあり、また古代中国でも同じような慣習があり日本に入ってきました。 現代まで受け継がれてきた五節供は日本と古代中国の慣習や伝説などが混じっています。七夕にも、日本の風習と中国から入ってきた「乞巧奠(きっこうでん)」、織姫伝説などが合わさっています。 6世紀に書かれた古代中国の書物「荊楚歳時記」(中国の南、長江中流地域の年中行事を記した月令 …
6月10日は「時の記念日」です。天智天皇10年4月25日(グレリオ暦671年6月10日)、日本で初めて時計により時報が打たれたことを記念して、大正9年に制定されました。大正9年東京教育博物館で5月16日から「時」の展覧会が開かれています。 ちなみに日本で初めての時計は、「漏刻(ろうこく)」と呼ばれる水時計です。 「時の記念日」の制定には、当時欧米の人たちから「日本人は時間の感覚に乏しい」とみられていたので、時間の感覚を身に付け、規律正しい生活を習慣とするように啓発の意味があったようです。 明治の開国以前までは、日本人は時間にルーズだったなんて、今では信じられないかもしれません。ルーズという …
仕事への向き合い方 今回は仕事の進め方と、仕事に対する気持ちの持ち方について考えてみましょう。仕事の進め方ですが、上司や先輩から指導、アドバイスがあるかと思いますが、ある程度は自分で心得ておくことも必要です。 ビジネスマナーの本には一般的な事項が書かれていますが、ここでは私の経験からの事柄を述べたいと思います。 1.仕事の目的と意味を知る 何のためにその仕事が存在しているのか。その仕事の先には何があるのか。 そういうことについて考えてみてください。 どのような仕事でも、存在しているということは、誰かが助かったり 何かで役にたっているということです。つまらないと思える単純作業でも、 …