お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

日本の宝! 石垣に隠された匠の技

過去の記事「城の面白さ倍増! 石垣の種類と役割を知ろう」では、石垣が加工具合によって①野面積み②打込み接ぎ③切込み接ぎの3つに分類されることをご紹介しました。画像を見ただけでも、加工の度合いが進んでいるものほど新しい石垣だということが一目瞭然でわかるでしょう。 石垣は鉄製のノミを使って、石を徹底的に叩くことで表面を整えます。もちろん今のような機械もない時代です。築城当時の石工たちが一打一打叩き込んで、途方もない時間を積み重ねることで、切込み接ぎのように整った石垣はつくられました。 このように極限まで整った石垣の多くは、城の出入り口である門の近くでよく使われます。「玄関は家の顔」と言われるように …

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