お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

安土城の復元に考える、城の復元条件とは

「信長の安土城は復元できないのでしょうか?」 安土城は「近世城郭の祖」と言える、日本城郭史においてとても重要な城です。そんな安土城の天主が復元できたなら、日本の城の歴史を肌で感じることができるでしょうし、城郭研究に興味を持つ子供たちが増えるかもしれません。実際に、精巧なCGや復元模型が作成されているだけでなく、滋賀県近江八幡市にある「信長の館」という展示資料館では、安土城天主の5・6階部分が原寸大(?!)の大きさで再現展示されています。 このように情報が蓄積されているにも関わらず、安土城の天主が復元されていないのはなぜでしょうか。 文化財は、昭和25年に制定された「文化財保護法」に基づき、重要 …

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