坂本龍馬史乗(2) 「戊午以来」と言う言葉は、安政の大獄(安政5年 皇紀2518年)以来を示すものであるが、迫りくる外圧と幕藩体制の矛盾と制度疲労に対して湧き上がっていた「草莽」層の蠢動をも包含し、時代の趨勢の下明治維新へと導いた新しい勢力の存在をも示している。 その時代は、龍馬の知り得ない処からも軋みながら激動してゆく。 「戊午の密勅」が水戸藩に渙発(安政6年6月8日)され、翌年3月3日には「桜田門外の変」で、井伊大老が水戸・薩摩両藩の浪士の手で葬られた。 尊王攘夷を標榜していた土佐の青年たちの主張は、幕府の方針通りに佐幕開国が土佐藩に有益だとする吉田東洋一派らに斥けられていた。 「書 …
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