前回まで、幕末騒乱の主な事件を述べてきたが、文久2年(皇紀2522年)~文久4年(元治元年)へと続いた騒擾を改めて振り返ってみたい。とは言っても、スキャンダラスな事件性に照準をあてるのではなく、明治維新へと移行していった時代の片隅で蠢いていた鬱憤の漏洩であったのか、または時代変遷に必要不可欠な陣痛であったのかを検証することで、偏重しているのではと考えてきた明治維新への評価と、その元勲たちの実像に近づくことができれば望外である。 騒乱の主人公であった「志士」たちの、出身階層(身分制度)を先ず知っておきたい。 「藩士」は「上士」(上級武士)と「下士」(下級武士)に分けられ、更にその中で藩によ …
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