幕末の激動期を経て、明治時代の日本は近代化へと動き始めます。江戸幕府が消滅し、武器や戦い方も変化したことで、城は軍事施設としての役目を終えました。各藩の財政が困窮していたこともあり、幕末以前から荒廃のひどい城も多々ありました。 「無用の長物」ともいえる城に追い打ちをかけたのは、明治6年(1873)に制定された「全国城郭存廃ノ処分並兵営地等撰定方(ぜんこくじょうかくそんぱいのしょぶんならびにへいえいちとうせんていかた)(以下、廃城令とする)」です。この廃城令は、全国の城郭を「存城」と「廃城」に区分して管理する法令です。簡単にいうと、存城は存続を認める城であり、廃城は破却や廃棄する城のことです。 …
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