お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

【城の歴史45】廃城令に揺れる明治時代の城

幕末の激動期を経て、明治時代の日本は近代化へと動き始めます。江戸幕府が消滅し、武器や戦い方も変化したことで、城は軍事施設としての役目を終えました。各藩の財政が困窮していたこともあり、幕末以前から荒廃のひどい城も多々ありました。 「無用の長物」ともいえる城に追い打ちをかけたのは、明治6年(1873)に制定された「全国城郭存廃ノ処分並兵営地等撰定方(ぜんこくじょうかくそんぱいのしょぶんならびにへいえいちとうせんていかた)(以下、廃城令とする)」です。この廃城令は、全国の城郭を「存城」と「廃城」に区分して管理する法令です。簡単にいうと、存城は存続を認める城であり、廃城は破却や廃棄する城のことです。 …

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