全日本作法会で20年以上、作法に携わり、企業や大学にてマナー研修を実施している筆者が送る日本の礼儀・作法に関するチャンネル。 一口に礼儀・作法といってもそこに隠されている、込められている日本の心、文化について発信していきます。
三月三日は「ひなまつり」。正式名称は「上巳の節供」です。 三月の最初の巳の日、という意味ですが、かなり古くから三月三日と制定されたようです。 旧暦の三月三日ごろは桃の花も咲いている頃なので「桃の節供」とも呼ばれています。 桃には邪気を祓う魔力があるとされています。また、百歳を表す「百歳(ももとせ)」に通じることから縁起が良い植物と考えられています。 「ひなまつり」という呼び方は幼い子供たちの無事な成長を願うことから、また女の子たちが人形遊びなどをしていたことと、上巳の節供が結びきました。 新暦なら4月半ば。暖かくなり色とりどりの花が咲いています。 桜は散るころでしょうか。一番美しい、暖かい …
日本では、開国、明治維新が起こるまで全員着物で暮らしていました。 そして、洋装が日常となった現代でも、着物は存在しています。 弥生時代は、男性は一枚の布を体に巻き付けており、女性は貫頭衣(かんとうい)という、袖なしの布を着ていたと「魏志倭人伝」には記されています。 ここでいう「貫頭衣」は一枚の布に頭だけを出すように穴を開けたポンチョのようなものを思いがちですが、二枚の布を縫い合わせ中央は縫わずにそこから首を出すようなものであったと考えられます。日本の布は一人で織られるのが伝統的です。左右の手で緯糸(よこいと)を受け渡しするので、肩幅より広い布幅は織れないと思われるからです。 二枚の布を …
「暦」とは、時間の流れを、日、週、月、年で表したものです。 さらに、月齢、日の出、日の入りや吉凶、曜日なども含みます。 始まりはエジプトのナイル川の氾濫が、周期的に起こることに気づいたこととされています。紀元前八世紀から三世紀にかけて、エジプト、古代ギリシャや古代中国において確立されています。 暦には、大きく分けると「太陽暦」と「太陰暦」があります。 「太陽暦」は太陽の動きを軸にして構成されており、「太陰暦」は月の動が中心となるのです。 日本は明治五年まで「太陰太陽暦」でした。月の動きを中心としていたのですが、それだけだと太陽の動きとズレが生じ、太陽暦との誤差が11日も出ます。そこでそ …
今年は、2月2日が節分でした。2月3日が立春となるのはなんと124年ぶりのことです。 節分は、現代では立春の前日を指しますが、年に4回あります。 立春、立夏、立秋、立冬の前日は節分となります。では、なぜ立春の前日の節分だけが残っているのでしょう。 立春は冬から春へ大きく季節が変化する日です。寒く、暗い空の冬が終わり、生物が芽を出し、花を咲かせ、色とりどりの自然界を見せてくれる春に向かうことを教えてくれる日でもあります。希望に満ちた季節がやってくるのです。 人々は、さあ今日から春だと喜び祝いあったことでしょう。旧暦では、お正月は節分に近い日でした。立春から、本当の一年が始まるとも云われ …
例年なら、今から年始にかけては街が一年の中で最も華やぐ頃です。 忘年会、クリスマスパーティ、お正月、新年会、成人式など普段よりお洒落して、レストラン、ホテルなどに出かけ、華やかな場所で食事を楽しむ人々の姿をたくさん見る季節です。 洋服を選び、 洋服とアクセアリーのコーディネートも楽しんでいることでしょう。 そこで、今回はアクセアリーの着け方について考えてみます。 ただ、私はスタイリストでも、デザイナーでもないので、あくまでも作法・マナーの観点からの考えです。 まず、覚えておいてほしいのは、どんな場合でも、アクセサリーをつけるということは、自分自身を着飾ることだということです。着飾るのですか …