和・作法の彩り

全日本作法会で20年以上、作法に携わり、企業や大学にてマナー研修を実施している筆者が送る日本の礼儀・作法に関するチャンネル。
一口に礼儀・作法といってもそこに隠されている、込められている日本の心、文化について発信していきます。

日本の季節を表わす言葉

和名月をご存知でしょうか。一年十二カ月の各月に名前が付いています。

一月は睦月(むつき)。一月は一年の始まり月。正月ともいいます。家族、親戚や友人たちと新年のお祝いに集まり、仲睦まじく交流する月です。

二月は如月(きさらぎ)。寒さをしのぐため着がさねする「衣更着(きぬさらぎ)」ところから。

三月は弥生(やよい)。「草木弥生月(くさきやおいつき)」の意味。草木がますます生い茂る、成長するということ。

四月は卯月(うづき)。ユキノシタ科の落葉低木である卯の花が咲くころ。

五月は皐月(さつき)。田植えを行う「皐苗月」の略。「さ」は田んぼの神様を

表わすという説もある。

六月は水無月(みなづき)。梅雨が明けて、雨が降らないので水が無くなる。

または田んぼに水を張る月の意味。

七月は文月(ふみづき)。七夕にちなんで、短冊に和歌を書いたことに由来する。

八月は葉月(はづき)。木の葉が落ち始める頃。

九月は長月(ながつき)。夜が長くなり、「夜長月」が「長月」の元。

十月は神無月(かんなづき)。全国の神様が出雲に集まるので、神様がいなくなる。逆に出雲地方は「神在月」。

十一月は霜月(しもつき)。霜が降りる頃。

十二月は師走(しわす)。年末で僧侶も走るほど忙しい月。「師」とは僧侶のこと。

和名月は、旧暦の季節感で名付けられましたので、明治維新後、新暦を使っている現代の季節感とは合致しませんし、ずれがあります。また、謂れは諸説あります。ただ、この和名月を知った時、感性豊かな日本人に感動したのを覚えています。

和名月だけでなく、一年を十二カ月に分け、さらに約二週間ごとに名前をつけた二十四節気と約5日ごとに名前をつけた七十二候に分けられます。一日ごとに変わっていく太陽の日差し、月の満ち欠け、気温や風に敏感になり、日々を自然の移り変わりと共に営んでいた先人たちの姿が想像できます。現代においても、季節を表わす言葉は移ろう日本の四季を感じ、私たちも自然に溶け込んでいく気持ちにさせてくれるものです。

では、季節を司る暦について考えてみましょう。暦は大きく二つに分けられます。太陽の動きを軸にした太陽歴と、月の満ち欠けを軸にした太陰暦。太陰暦は、ある点では非常に便利です。月をみれば、何日かわかるのですから。例えば、一日は新月ですので、ほとんど月が見えません。満月になれば、十五日です。

しかし、太陰暦と太陽暦では一年が11日もずれてきます。そのずれを修正するのに数年に一度、閏月を設けており、閏月がある年は一年が13カ月ありました。これが太陰太陽暦です。日本は、飛鳥時代から明治維新までは太陰太陽暦でした。明治時代に開国すると、西欧と同じ太陽暦に変えたのです。

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