短期大学卒業後大手地方銀行に長年勤務 着付けを習うことで、日本の文化に興味を持つ全日本作法会で20年以上、作法に携わる。 企業や大学にてマナー研修を実施
袱紗に包むのは何故? さて、儀式の時の金子は祝儀袋などに入れて、その袋ごと「袱紗」と言われている布に包んで持参するのがならわしです。金子を現代は封筒のような袋に入れますが、元々は白い紙に包むというのが正式です。お金はいろいろな「念」が付きやすいので、その念を浄化するために白い紙に包むという慣習が生まれたのです。白い紙に包んで、水引を結びます。白い紙が祝儀袋・不祝儀袋とでは包む形が違っています。お相手には袋ごと渡しますので、その袋が汚れないように、うえから布に包むのです。 贈り物を先方に届ける際には、広蓋(ひろぶた)といわれる塗のお盆の上にのせ、塵よけに袱紗をかけ、さらに風呂敷で包んだのです。お …
前回は袱紗について述べました。今回は、その袱紗の中身、お金を包む紙についてです。金封ともいわれていますが、大きく分けると、祝儀袋・不祝儀袋に区別されます。 まず、祝儀袋についてです。人生において、様々な祝い事があります。中でも大きいのが「結婚」ですね。 結婚祝いの祝儀袋 ・水引は紅白、金銀の結びきり、あわび(あわじ)結び ・熨斗つき ・表書きは「寿」「御結婚御祝」など ・ご自身の名前は表書きより少し小さめに ・中包みの表には金額を書きます 金額は旧漢字でよく書かれてありますが、決まりはありません。また、「金壱萬円」などと表記されているのを見られますが、「一万円」でも良いのです。「 …
今年も残すところ二週間となります。お正月のことをお伝えします。 その前に、「〆」について、前回触れてなかったので、今回記述しておきたいと思います。 「〆」は封筒や関西包みの金封の口を糊づけして、書きます。意味は糊づけして塞ぎました、閉めましたということを表示しているのです。これは「メ」ではなく「〆」ですから間違わないように。「〆」のハネを上に持っていくか、下に持っていくかは、お相手が目上か目下かで区別していました。現代はそういう区別はせず、中ぐらいにしています。 さて、お正月です。お正月とは何でしょう。どなたにも12月31日はやってきます。その次の日は1月1日です。新しい年は始まりますが、なぜ …
門松 歳神様が降りてこられる時の目印として、家の前に飾ります。平安時代からは松が立てられるようになったのですが、それまでは杉の木などが立てられていたようです。 注連縄(しめなわ) 掃除が終わってから、清浄で神聖な場所を表わすしるしです。降臨された神様を家に招き入れるために、玄関などに飾ります。 鏡餅 神様への供物で神の力が宿ると云われています。餅はもともと、ハレの日に神様に捧げる神聖な食べ物とされてきました。鏡のように円形にしています。また、大小二つは、太陽(陽)と月(陰)を表わしています。年末に各家庭で餅つきを行っていましたが、十二月三十一日は一夜餅、十二月二十九日は苦が付くとなり、こ …
和名月をご存知でしょうか。一年十二カ月の各月に名前が付いています。 一月は睦月(むつき)。一月は一年の始まり月。正月ともいいます。家族、親戚や友人たちと新年のお祝いに集まり、仲睦まじく交流する月です。 二月は如月(きさらぎ)。寒さをしのぐため着がさねする「衣更着(きぬさらぎ)」ところから。 三月は弥生(やよい)。「草木弥生月(くさきやおいつき)」の意味。草木がますます生い茂る、成長するということ。 四月は卯月(うづき)。ユキノシタ科の落葉低木である卯の花が咲くころ。 五月は皐月(さつき)。田植えを行う「皐苗月」の略。「さ」は田んぼの神様を表わすという説もある。 六月は水無月(みなづき)。梅雨が …