(その15)で述べたように、「黙殺」が原爆投下の一因であったと主張するのであれば、昭和20年2月の重臣拝謁で近衛公が述べた「近衛上奏文」が軽視され、昭和天皇陛下が却下された史実こそが究明されるべきではないか? 天皇陛下の責任に言及しなければならないこの検証を避けて通りたいのは理解できても、祖国の進路と国民の生命を問う問題である。 大日本帝国憲法下では天皇の権限は制限されており、輔弼・輔翼の立場にあった者が責を負うべきであり、その意味では近衛公が中国問題・三国同盟・開戦直前の東条英機への禅譲等で罵声を浴びせられるのは止むを得ない面もある。 しかし、何度も述べてきた通り陛下の最もお傍で昭和15年6 …
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