昭和20年2月7日から始まった「天機奉伺」の「重臣の拝謁」は、14日に近衛公の出番となったが、開戦以来初めてゞ実に3年振りの単独拝謁であったが、この日に限って藤田侍従長に代わり木戸内大臣が侍立するという奇計が行われた。(他の6名はすべて藤田侍従長が侍立) 藤田侍従長が風邪を引いていたと木戸日記に記されている(時局に関スル「重臣奉答録」にも、『病気ノ為木戸内大臣侍立要旨ヲ手記ス』の記録あり)が、木戸が藤田侍従長と近衛公の面識が薄いことを理由に代役を申し出たという説もあり、後者の方が用心深く猜疑心が強かった木戸の行動としては納得できる。 案の定近衛上奏文が示され、自身の不明を詫びた上共産化の懸念と …
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