建設経済新聞社 since 1957 京都から発信する論壇マガジン

第１１代垂仁天皇は、海の向こうの不老不死の国と言われる常世の国にタジマノモリを派遣します。目的は、常世の国に有ると言われていた不老不死の実を持って帰ることでした。タジマノモリは、船で大海に漕ぎ出します。そして、何年もかけて、不老不死の実を探し求めて、ようやく見つけることが出来ました。タジマノモリは大喜びです。急ぎ船を準備して、日本の天皇のもとに戻って来ました。そこで、タジマノモリは、愕然とします。不老不死の実を探し求めるのに長い年月を費やしてしまったため、その間に垂仁天皇が亡くなってしまったのです。タジマノモリは、天皇のお墓の前で、泣き崩れました。そしてお墓に向かって、「不老不死の実である非時 …

日本は、四季の変化がはっきりとしている国です。だから、四季折々に素晴らしい風景が現れ、四季折々に旬の食べ物が食卓にあがり、四季折々のファッションを楽しめる。生活に四季の変化が大きな影響を与えているような気がするのです。その中でも、景色の美しさは見惚れるものがあるのですが、食いしん坊の私は、そこはやはり、食が一番でもあります。日本の食生活の中心は、お米であり、お米は神様の贈り物であることは、以前、紹介させていただきました。それ以外にも、神話の中で、象徴的にでてくるのが果物なのです。果物の中で、唯一、神様として登場するのが、桃の実なのです。イザナギノミコト、イザナミノミコトの国生み神話の中でのお話 …

　１月も３週目に入り、今冬一番の寒さになっています。底冷えがする中、雪が積もるところもでています。　大阪に住んでいると雪が積もることは滅多になく、子供の頃は雪に対する憧れがありました。　雪合戦をしたり、かまくらに入っている映像を羨ましく観ていたのを覚えています。 　特にかまくらは、雪国を訪れて、見つけると必ず中に入らせてもらっていました。　このかまくら、単に雪で洞を造っている程度にしか考えていなくて、その目的も知りませんでした。先日、テレビでその話が出ていて、初めて知りました。かまくらは雪を丸く固めて中を繰り抜いた「雪室」（ゆきむろ）と呼ばれる小部屋のことで、「かまくら」の中には、水神様を祀り …

神話の中には鳥たちがたくさん登場します。主人公ではないので、目立たない存在なのですが、登場する場面では、大切な役割を担っています。そんな鳥たちが、登場する場面をひとつひとつ拾い上げて、観ていくのも面白いのではないか考えました。いくつか紹介して行きたいと思います。 まず、最初に登場するのが、日本書記の中です。高天原（天上界）の神様達から、国を生むように使命を授かった夫婦の神様、夫のイザナキノミコトと妻のイザナミノミコト。高天原から天の浮橋にやってきます。浮橋から下を覗くとそこにあるのは大海原でした。イザナキノミコトとイザナミノミコト二人は、神様達から授かった天の沼矛（ぬぼこ）を大海原に降ろして、 …

６月３０日は、夏越しの大祓いの日。この日には、神社に茅の輪が出されて、その茅の輪をくぐります。茅の輪をくぐって左にまわり、またぐぐって、今度は右にまわり、これを２回繰り返します。そうすることで、自分の身体に付いた我欲、ねたみ、そねみのようなものを綺麗に祓って、そぎ落とします。 神社では、夏越しの大祓いの神事が行われ、神様のもとで、そこに集うものが祓いを行う１日になります。祓いというと大祓詞（おおはらいのことば）という祝詞（のりと）があります。 「たかあまはらにかむづまります、かむろぎかむろみのみこともちて．．．」言葉で始まる祝詞です。この祝詞を神社にお詣りしていると御祈祷の場面なので、よく耳に …