建設経済新聞社 since 1957 京都から発信する論壇マガジン

全国各地の温泉地に行くと温泉神社という名前の神社を見かけます。お詣りして、ご祭神を見ると、オオクニヌシとスクナビコナが並んで書かれていることが多いです。何故、温泉地にある神社でそうなのかというとこの二神で、各地の温泉地を開いて行ったからなのです。有名な道後温泉もオオクニヌシとスクナビコナが開いたと言われています。二神がどうして、温泉地を開いていったのか、それには理由があります。 オオクニヌシとスクナビコナ、この二神は、オオクニヌシが地上界の王様で、スクナビコナは、その補佐役です。オオクニヌシは、多くの神様に助けてもらって地上界の王様になります。王様になって、独りでこの国を治めていくことに大きな …

日本の神話に登場する神様達は、みんな人間臭いところがあります。夫婦喧嘩有り、兄弟喧嘩有り、育児放棄有り、セクハラ有り、浮気有り、引きこもり有り、なんでも有りの状況なのです。 初めて日本の神話に触れた時、神様なのにとんでもないことをするんだと思いました。 何故なら、あまりにも現代に生きる私達と変わらないからです。神様の名前を現代人の名前にして、登場する背景を少し変えたのなら、日本の神話はそのまま、テレビでドラマ化できそうだからです。 正直な感想は、神様も私達と同じように笑ったり、怒ったり、泣いたり、悲しんだりするんだということです。 何故なんだろうと思いました。 神様とは、崇高な存在で、天から私 …

すこし前、不倫の話題がテレビを賑わしていました。恋愛事情は、今も昔も同じような気がします。 男女関係のもつれで事件が起こる。過去を遡って調べてみると、わんさか出てきます。神様も同じです。 そう考えると神代から神様も人もやっていることは大差ないということなのでしょうか？男女関係のもつれのなかに不倫というものがあります。 妻、夫がある身で、他の異性と関係を結ぶ。そんな不倫の第１号は、大国主命（オオクニヌシノミコト）でした。 この神様、地上界の王になる神様なのですが、争いごとを好まない神様でした。非常に優しいところがあり、モテモテで、たくさんの女性と関係を結び百人を超える子供がいたそうです。正妻は、 …

”口は災いのもと”という諺があります。 不用意な言葉から災難を招くことがあるので、言葉は慎むべきものであるという意味です。 私達の日常生活の中でも、ふと漏らした言葉のために相手との仲たがいしてしまい、気まずい関係のままになっているという話は、よく耳にしたりします。 神様の世界でも、同じようなことがあったと神話には書かれています。神様の世界だけにその災いは、強烈な出来事として語られています。 高天原から地上界に派遣されたニニギノミコトが発した言葉が、大きな災いを生んでしまいました。 ことの発端は、地上界にやってきたニニギノミコトが、コノハナサクヤヒメと出会い、ひと目惚れするところから始まります。 …

常に謙虚であれ！傲慢は災いを招く！小さい頃から、そう言われて育ちました。謙虚さは、ご先祖様から世代を超えて伝えられた日本人の美徳のように感じています。 神話の中でも、謙虚な気持ちを忘れ、傲慢な態度で接したことで、神様でも災いに何度も巻き込まれています。いくつかエピソードをご紹介します。最初のエピソードは、初代の天皇である神武天皇がそう呼ばれる前のイワレビコの時代のお話。 イワレビコは、東に素晴らしい場所があるという神様のお告げを受けて、仲間と一緒に船に乗って東を目指しました。東に東に航海をしてたどり着いたのが大阪の地。この地に上陸して東の生駒の山を越えようとしますが、その地を治めていたナガスネ …