建設経済新聞社 since 1957 京都から発信する論壇マガジン

週末に神社にお参るすると、かわいい晴れ着の女の子や紋付き袴のりりしい男の子に出会います。「七五三なんだなぁ！元気に健やかに育ちや！」そう心の中で呟いております。子供の成長は速いもので、七五三をお祝いしたかと思っていたら、小学生になって、中学生、高校生、あっというまに成人になっていたみたいなことが自分の娘たちでもありました。神様の時代から、子供の成長は速いものですが、昔は、赤ちゃんから子供になっていく過程での死亡率は、非常に大きいものでした。 そもそも出産は、命がけのことで、母子ともに亡くなってしまうこともよくあったそうです。せっかく授かった命が、この世に生を受けても、短い命で亡くなっていく。そ …

秋になると夜空を見上げることが多くなります。先日の十三夜は、あいにくの曇り空で、月は顔を出さず残念な気持ちで一杯でした。月というと月齢を読む神様がおります。月読命（ツクヨミノミコト）です。この神様は、神話の中では殆ど登場しません。国生みを行ったイザナギノミコトの息子なのですが、同じ兄弟の姉のアマテラス、弟のスサノオに比べると影が薄いのです。 妻のイザナミを黄泉の国に迎えにいって、連れて帰ることができなかったイザナギ。黄泉の国で死者の穢れを受けてしまったので、それを祓うために川に入って禊祓いを行います。身についてしまった穢れを祓って、祓って、そこからたくさんの神様たちが生まれて来ます。そして、最 …

神社は、願い事をする場所ではないと言われることがあります。感謝を伝えに行く場所であるとも言われています。神社の維持のためには、収入が必要であり、そのために開運グッズを販売されているのですから、願い事をすることについては、それも良しだと思っています。もともと私たちの住む日本という国は、八百万の神々の国であります。たくさんの神様がおられて、それぞれの役割を持って存在されている。多様性を認める国だとも言えます。そうであるならば、願い事をしても良いのではないかとも思えるのです。その人にとっての神社の役割は、違っていても良いように思えるのです。こうでないといけないと限定してしまっては、対立構造が生まれや …

日本の神話の中で活躍するヒーローと現代アニメの中のヒーローたちに共通点があるとしたら、何だと思いますか？神話の世界とアニメの世界、全く違ったもののように考えられるかもしれません。でも、そこで描かれているキャラクターには、それぞれの時代に生きた人の想いが入っています。日本人らしさのようなものが伺い知れるということなのだと思います。ひとつの例を紹介したいと思います。天岩戸のものがたりです。 高天原を治める太陽神アマテラスが、注意しても、聞く耳を持たずに乱暴な振る舞いを続ける弟のスサノオとその行為に対してアマテラスに処罰を求める高天原の神様たちの板挟みになり、天岩戸に引き籠ってしまいます。太陽神アマ …

９月９日は、五節句のひとつである重陽の節句です。節句とは季節の節目とされた重要な日です。人日の節句、上巳の節句（桃の節句）端午の節句、七夕の節句、重陽の節句と続きます。３月３日、５月５日、７月７日、９月９日と奇数が並ぶ日です。１月は、１日でなく７日、１１月は、設定されていません。これは、１１月は、新米の収穫があり、新嘗祭がある月でもあります。１年の行事は、お米の豊作を願うものであり、その年の収穫が終わり、神様に食していただく月であるからとも言われています。 重陽の節句には、お酒に菊の花を浮かべた菊酒を飲み、邪気を祓ったと言われています。菊というと思い浮かぶ神様がおられます。菊理媛神（ククリヒメ …