‐2022年10月28日号‐
ドルは10月20日前後で150円台を付けましたが、介入が入りその後7円高の144円まで振れました。
これは為替が円高に向かうという狼煙かもしれません
マスコミや著名なエコノミスト達が、輸入食料品の値上がりが止まらないなど、インフレ退治を優先するアメリカ、そして財政悪化と賃上げが進まない日本の状況からみて、日米金利差が益々拡大し今後ドル円は155円まではいくだろうと報じています。
しかし、いま、多くの海外の企業が現地から日本へ回帰して来てることをご存知でしょうか。
例えば、多くの日系企業が進出しているタイでは、コロナ以降続々と現地日系企業が撤退し日本へ戻っています。
(なぜか?) 理由の一つに円安で現地通貨の価値が相対的に上がり、コスト増ゆえに採算が合わなくなってきているからです。さらに、輸入品に対する支払いを現地通貨で行うと円安により約25%支払い金額が増えることになることも挙げられます。
一方で日本国内では物価も人件費も上昇せず海外に対して割安でなおかつ治安も良いといえるでしょう。
逆に日本から輸出すると約25%増しの売上になります。
また、急激な円安によって日本人の国内財産の海外流出に歯止めがかかる利点もあり、海外からの投資を促すことにもなります。さらには、インバウンドで外国人観光客が増え日本の観光産業は潤います。
こう考えると、今回の急激な円高は、日本にとって大きく経済発展で遅れをとった日本の産業の構造転換を図る絶好の機会にもなります。実は、財務省、政府の隠れた意図ではないかとも考えてしまいます。
現在、意図的にこの流れが起きてるとすれば、ある程度効果が出てきた時点でまた、徐々に円高方向に戻って行くことになるのではないでしょうか。
その兆しが今回のドル円為替の動きに表れているのではないかと考えます。
今回の急激な円高は、日本経済を再起させるきっかけになることだと期待します。
上中康司 拝