お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

黒い天守と白い天守の謎

 外観が黒い天守と白い天守があることを不思議に思ったことはないでしょうか?天守はもちろんどれも同じではなく、唯一無二の構造です。特に外観はその城のイメージを大きく左右するものですので、破風や窓のつくりなどを工夫して多彩な表情を創り上げています。構造の違いだけでなく、色彩でも違いを生み出そうとするのはどんな意図が隠されているのでしょう。  黒と白の色の違いは、城を築いた城主の違いと言われることがあります。例えば、黒い天守は豊臣方の城で、白い天守は徳川方の城だという考え方です。松本城や岡山城・広島城など豊臣方に黒い天守が多いのは確かです。この見方は果たして本当なのでしょうか? 今回は黒い天守と白い …

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