お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

平成最後の築城 およそ150年ぶりに蘇る尼崎城

平成最後に築城された、尼崎城を知っていますか? それは、某家電量販店の創業者が10億円を超える私財を投じて再建し、尼崎市に寄贈した天守です。この天守は、阪神電鉄尼崎駅から南東へ徒歩5分の「尼崎城址公園」にあります。耐震性の確保のため、鉄筋コンクリートで造られた5階建の建物です。天守内には、VR(仮想現実)技術で江戸時代の尼崎城と城下町を体感できるシアターや、時代衣装の着付け体験ができるコーナーなどもあるそう。この再建によって、明治6年(1873)の廃城令で取り壊された尼崎城天守が、およそ150年ぶりに蘇りました。 そもそも尼崎城とは、どんな城だったのでしょう。 尼崎城は、今から約400年前の元 …

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