お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

【城の歴史39】大阪城築城の残念石を訪ねて

「残念石」を知っていますか?残念石とは、徳川幕府による大阪城再建の天下普請において、全国の大名家は、石垣用の石材を切り出して大阪城まで運びました。その運搬途中で落下したり、運ばれずに残った残石のことです。諸説ありますが、これらの石は「大阪城の石垣になれなかった残念な石」から、「残念石」と呼ばれています。 幕府が指定した石材は「花崗岩(かこうがん)」でした。それぞれの大名家は、花崗岩のある生駒山や六甲山系の山々や瀬戸内海の島々を中心とした地域に、石を切り出す「石切丁場(いしきりちょうば・または石切場という)」を確保し、石材を加工して大阪城へ運んだのです。 観光地として有名な小豆島(香川県)には、 …

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