お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

【城の歴史36】技術の進歩によって誕生した新式の天守

近世城郭の象徴といえば、やはり「天守」です。天守には、構造の違いから「望楼型(ぼうろうがた)」と「層塔型(そうとうがた)」の2つの種類があります。 望楼型天守は、古い形式の天守です。天守のはじまりとされる織田信長が築いた「安土城(滋賀県)」の天守も望楼型でした。望楼型天守の構造は、1階建てや2階建ての大きな「入母屋造(いりもやづくり)」の建物の上に、1階建て〜3階建ての「望楼(ぼうろう・遠くを見渡すための物見やぐらのような役割をする建物)」という別の建物を載せたものです。天守の基部(中央部分)に大きな三角の入母屋破風(いりもやはふ)ができるのが、望楼型天守の特徴です。 層塔型天守は、関ヶ原の戦 …

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