お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

【城の歴史30】日本初の石垣の城・グスク

前回は観音寺城・前々回は安土城と、強固な総石垣づくりの城を紹介しました。では、日本初の石垣の城は一体どこの城なのでしょうか。 それは、沖縄諸島を中心に分布する「グスク」と呼ばれる琉球の城です。グスクは「城」と書いて「グスク」と呼びます。奄美大島諸島から沖縄諸島、宮古・八重山諸島という、東京から福岡までの距離にほぼ匹敵する広大な範囲に、300を超える数のグスクがあったというのですから驚きです。 グスクは、按司(あじ)と呼ばれる地方領主たちが地域支配のために築いた城といわれています。12世紀中頃から13世紀初頭に誕生したグスクは、北山・中山・南山に分かれて対立した三山時代を経て、15世紀初頭に統一 …

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