お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

【城の歴史29】安土城以前の石垣の城・観音寺城

荘厳な天主と総石垣の城づくりによって、近世城郭の扉を開いた信長の安土城。とはいえ、安土城の築城以前には、同じような石垣づくりの城はなかったのだろうかと疑問に感じる方もいらっしゃることでしょう。 その疑問を解決してくれる城が、観音寺城(かんのんじじょう・滋賀県近江八幡市)です。観音寺城は、安土城の東側にある標高433mの繖山(きぬがさやま)全体を城域とした城です。驚くのはその立地。観音寺城は、安土城から直線距離で2kmほどしか離れていない場所にあります。 観音寺城は、中世を通じて近江国の守護だった宇多源氏の流れをくむ佐々木六角氏の居城です。六角氏は、現在放送中の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』にも登 …

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