お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

【城の歴史28】近世城郭のはじまり・織田信長の安土城

戦国時代のヒーロー・織田信長。彼は、勝幡城→那古野城→古渡城→末盛城と目まぐるしく居城移転した父・信秀の革新的な城郭戦略を継承し、那古野城→清州城→小牧山城→岐阜城と、居城を替えながら「天下布武(てんかふぶ)」を掲げ、天下統一を目指しました。そんな信長が、統一のシンボルとして琵琶湖東岸に築いた城が「安土城(あづちじょう・滋賀県近江八幡市・東近江市)」です。 安土城の築城は、天正4年(1576)の正月からはじまりました。なんと信長は、標高約198mの安土山に「5重の高層建築物」を備えた「総石垣」の城という、前代未聞の城をつくり上げたのです。この安土城が、城の歴史において「近世城郭(きんせいじょう …

この続きは、ロンダンを定期購読頂くことで閲覧が可能です。

価格:月額1100円(税込)

ログインして閲覧する

お城カタリストの城語り 
過去記事一覧

テキストのコピーはできません。