お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

【城の歴史23】山城の巧みな防御の仕掛け

山城は、自然の山を掘ったり削ったり人工的な土木工事をして切り拓いた、戦略的な土づくりの城です。その掘削した地面に残る凹凸の構造が、山城の貴重な遺構になります。山城は登るのが大変です。けれど、苦労した先にある見事な遺構と、眼下に広がる雄大な景色を眺めれば、疲れも吹き飛ぶほどの爽快感で満たされるでしょう。 今回は、山城に残る巧みな防御の仕掛けに注目してみましょう。和歌山県みなべ町の「うめ振興館」に展示されている平須賀城(へいすがじょう)の再現ジオラマを例に、山城の基本的な防御のしくみをご紹介します。 平須賀城は、南部川と玉川の合流地点にそびえる平須賀山の山頂付近にある、比高177m・南北約400m …

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