お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

【城の歴史19】足利将軍家の邸宅「花の御所」

建武の新政が崩壊した後醍醐天皇は、神器を持って吉野に逃れ「南朝」を立てました。一方の足利尊氏が京都で天皇の「北朝」を立てたことにより、2人の天皇が並立する南北朝時代に突入します。 征夷大将軍に任命され幕府を開いた尊氏でしたが、社会の動揺は収まらず深まるばかりです。この南北朝の動乱は約60年の長期におよび、尊氏の孫で室町幕府3代将軍・義満の代になってようやく収束しました。 足利義満といえば、建物の内外に金箔を施した金閣寺を建立した将軍として有名です。明(みん・当時の中国)との勘合貿易(かんごうぼうえき)では、義満は「日本国王」と称され大きな利益を得ていました。 歴代の足利将軍の中でも印象的な義満 …

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