お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

【城の歴史18】南北朝時代と山城

いま、日本には3万から4万ものお城があるといわれています。そのうち天守のあるお城は、おおよそ100城ほど。日本の城の約99%は、山の上の険しい地形を活用した「山城(やまじろ)」です。 今回は、南北朝時代に登場した山城についてご紹介しましょう。日本の城の大部分を占める山城の原点は、この南北朝時代にはじまりました。 鎌倉時代後期に現れた「悪党」たちの拠点は、急峻な山の中でした。後醍醐天皇が重用した楠木正成が拠点としたのは、赤坂(現在の大阪府千早赤阪村)の地です。この場所は、金剛山系の山々に三方を囲まれた平地のない地形で、守りやすく攻撃しにくい地勢でもありました。 正成はこの地に「下赤坂城」・「千早 …

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