お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

【城の歴史15】御家人と元軍の戦い方の違い

『蒙古襲来絵巻』は、肥後国の御家人・竹崎季長(たけざきすえなが)が、蒙古襲来の合戦でどう戦ったかを描かせた絵巻です。「国立国会図書館デジタルコレクション」(https://dl.ndl.go.jp/)では、この絵巻をインターネットで閲覧することができます。 鎌倉時代の武士・御家人たちの戦い方は、馬に乗っての一騎打ちが基本です。戦いの前には「声高々と本国、家系、氏名、年齢、戦歴などを名告り(なのり)合って」(日本大百科全書17より)戦いに臨み、合戦と自らの立場の正当性を堂々と主張し合う「言葉戦い」によって、まず相手を攻撃します。藤木久志氏の著書『戦国の作法』によると、弁論の力量はおそらく大将たる …

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