お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

【城の歴史4】古墳を活用した城

堺市にある全長486mの「大仙陵古墳」は「仁徳天皇陵古墳」とも呼ばれ、第16代:仁徳天皇を葬ったとされる世界最大の前方後円墳です。また、エジプトのピラミッドや中国の始皇帝陵と並び「世界三大墳墓」のひとつに数えられ、2019年には「百舌鳥・古市古墳群」として世界遺産にも登録されました。 この大仙陵古墳を訪れたとき「昔の人は古墳をお城に活用しなかったのだろうか?」と疑問に思いました。前方後円墳は、方形墳と円墳をつなぎ合わせたような鍵穴型の古墳で、その周囲は深い水濠に囲まれています。堀に守られた小高い丘ならば、城として、もしくは簡易的な砦として最適だったのではないかと思ったのです。 大仙陵古墳は、戦 …

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