お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

【城の歴史1】弥生時代の環濠集落

鎌倉時代から安土桃山時代の武士が活躍する時代には、全国に3万~4万の城があったと言われています。文部科学省の『学校基本調査』によると、2019年の小・中・高校・大学の合計は約35,000校ですので、中世の時代だけでも学校の数とほぼ同数の城があったということです。 そもそも城とは、一体何なのでしょう? 城は、防御施設です。敵からの攻撃や侵入に備えて、土や石や塀などで守りを固めた軍事施設です。軍事的な防御施設であるならば、食糧や武器・資金の備蓄場所として利用されたものも城と考えられますし、指揮官の住まいや政治・情報の拠点も城とされます。 城の定義は、各種専門家によって千差万別の意見があり、幅広くて …

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