お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

無城大名の城「陣屋」

江戸時代の大名たちは、みな城を構えていた訳ではありません。幕府は大名の家格に応じて「国持大名」・「国持並大名」・「城持大名」・「城持並大名」・「無城大名」と5つに分け、その中の「無城大名」には城を築くことを許しませんでした。その無城大名の住まいとしてつくられたのが「陣屋」です。 時代によって多少の前後はありますが、江戸時代には260あまりの藩がありました。その3分の1以上の100の大名家が無城大名だったと言われています。 陣屋は、基本的に軍事的な施設を設けることができませんでした。具体的には、天守はもちろんのこと、櫓や石垣、堀など防御力の高い設備を備えることができなかったのです。陣屋には、藩庁 …

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