お城を歩いていると、天守の小型版のような建物に気づくでしょう。その建物は「櫓(やぐら)」です。 櫓は、古来「矢倉」や「矢蔵」と表記され、矢などを納めておく武器庫から生まれた建物です。高さのある建物なので見晴らしがよく物見に適しており、有事の際にはその高さを生かして攻撃の拠点にもなりました。また、武器だけでなく武具や兵糧など様々な物資を貯蔵するのも櫓の大きな役割です。 櫓には一階建ての「平櫓(ひらやぐら)」もありますが、基本的な構造は、二階建ての「二重櫓(にじゅうやぐら)」です。大阪城(大阪府)の乾櫓(いぬいやぐら)のように、城の内側を凹ませたL字型の珍しい二重櫓もあります。 天守が、軍事的な「 …
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