お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

コンクリート製の天守が抱える大問題

「日本から城がなくなるかもしれない」そう警鐘を鳴らすのは、公益財団法人日本城郭協会の理事で城郭研究家の加藤理文先生です。「各地に建てられシンボルの地位を不動とした城が、日本の町から消える日がくるかもしれない。」その著書である『日本から城が消える〜「城郭再建」がかかえる大問題〜』(洋泉社)を読んだときの衝撃はとても大きなものでした。 昭和30年代から40年代の高度成長期に、戦後復興のシンボルとして建てられた鉄筋コンクリート造の天守は、建築からはや60年を迎えようとしています。一方で、鉄筋コンクリート造の法定耐用年数は47年です。法定耐用年数は減価償却の計算に使われるもので、実際の耐用年数ではあり …

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