全日本作法会で20年以上、作法に携わり、企業や大学にてマナー研修を実施している筆者が送る日本の礼儀・作法に関するチャンネル。 一口に礼儀・作法といってもそこに隠されている、込められている日本の心、文化について発信していきます。
文月に入り梅雨明けが待ち遠しくなってきました。夏はもうそこです。 四季が明確な日本。昔から四季それぞれの過ごし方を模索し、工夫し、少しでも快適に健やかに、春夏秋冬を送ってきました。そう、現代のようなエアコンなど無かったのですから。 春夏秋冬の中でも、辛い季節こそ工夫する必要があります。春や秋は特別なことをしなくても比較的過ごしやすいのですが、夏冬はそうはいきません。 冬は地域的なこともありますが、着るものを多く着たり、火を使ったりすると暖かいし、動けば体を温まります。 なんといっても夏です。動かなくても、裸でいても暑い。暑さだけで体が弱るのですから、気持ちまで下がってしまいます。 なので、夏を …
南の方では梅雨入りのニュースが聞こえてきます。 梅雨が明けると夏が待っています。 日本の夏に似合う和装は浴衣ですね。竹久夢二の絵にも、浴衣姿の女性が描かれていますが、肌の露出が多いわけではないのに、爽やかな色気を感じます。 「浴衣」とは、湯に入る時に着用した麻の単衣のきもの「帷子(かたびら)」からきています。昔お風呂は混浴で、風紀上の点から、帷子を着て湯に入っていたのです。 なので、「浴衣」を「ゆかた」と称するようになりました。 その後、浴衣は夏の普段着、労働着となっていきます。 とはいえ、浴衣はフォーマルな場には着用できません。洋服でいうとTシャツにジーンズという装いと同格です。室内 …
職場では、和室がある会社はほとんどないでしょう。個人宅でも、和室は少なくなりました。だからといって、和室に入ることが全くないかというと、旅館や料亭などでは和室が顕在です。和室は日本の文化でもあります。基本的なことは知っておいてください。 和室の入り口にあるのは本来襖です。当然、ノックはいたしません。もちろんいきなり開けるのは論外です。襖を閉めたままで、外から「失礼いたします」と声をかけます。 部屋の中から「どうぞ」と許可の言葉が聞こえてきて襖を開けますが、一度で広く開けるのではなく、最初はほんの少し、隙間程度に開けるのが礼儀です。一呼吸おいてさらに広く、人が一人入れる間隔を開けるのです。部 …
オフィスでの部屋への入退室のマナーは主に洋室のマナーとなります。 そう、部屋には洋室と和室がありますね。しかしながら、会社において和室は皆無でしょう。だからといって、日本の中では日本の作法、マナーが入ってきますので、複雑かもしれません。 まずは洋室のマナーについて考えてみましょう。洋室なので、ドアがあります。 入るときには、必ずノックを行います。ノックは3回してください。 2回はトイレノックと言われているので、トイレでない場合は3回です。 元々、日本にはノックの習慣はありませんでした。何しろ襖の文化ですから。 外国映画などでは、3回以上多くノックをしています。なんであんなに多くノックをする …
声を届ける 新入社員研修で、力を入れるのは、挨拶と電話応対です。 電話というコミュニケーションツールは、今や個人のものになってしまっています。 誰でも持つ携帯電話の出現で、家庭で電話応対の基本を教わることが無くなりました。 平成の初めの頃に一般の人たちも携帯電話を持つようになりましたが、まだまだ家庭には固定電話があったので、固定電話に架ける機会も多かったのではないでしょうか。 子供でも、友達に電話する先が固定電話なら、友人宅の誰が出るかわからないので、言葉遣いや名乗ることを幼い時から親をみて覚えているものでした。 個人の電話、携帯電話に架けるようになると、言葉遣いも友達言葉だけで済みます。 緊 …