お城カタリストの城語り

日本には現在もかつての姿をとどめている城が12箇所あるという。古くは国府の守備の拠点として、そして武士の時代には、武士の居住地と敵からの侵入を防ぐためのバリケードとして作られた日本の城は、やがては政治の拠点としてその役割を変えてきた。シリーズ「お城カタリストの城語り」は、お城カタリストの野口紀美氏が、城の歴史にスポットを当て、我が国の歴史や文化を分かりやすく解説する。

「ある部分」に注目するだけで判断できる石垣の築城時期

もし城の石垣を見ただけで、その石垣が築かれた時期が分かったら、お城観光が何倍も楽しくなると思いませんか? 今回は、石垣の「ある部分」に注目して「近世城郭」のおおよその築城時期を判断するコツをご紹介します。 注目する石垣の「ある部分」とは、「石垣の角の部分=隅石(すみいし)」です。石垣は構造上、隅石の部分が非常に崩れやすいつくりをしています。その弱点を補強するために石垣を築く技術は進化し、特殊な積み方が誕生しました。それが「算木積み(さんぎづみ)」です。 算木積みとは、長辺が短辺の2〜3倍ある細長い立方体の石材を、長辺と短辺が互い違いになるように交互に積み上げた積み方のことです。この算木積みの構 …

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