短期大学卒業後大手地方銀行に長年勤務 着付けを習うことで、日本の文化に興味を持つ全日本作法会で20年以上、作法に携わる。 企業や大学にてマナー研修を実施
日本料理の特徴 日本料理には長い歴史に基づいた特色があります。味、調理法、色は「五原則」を基本とします。 五味 苦い 酸っぱい 甘い 辛い(香辛料の辛さ) 鹹い(塩からい) 五法 焼く 煮る 揚げる 蒸す 生 五色 青 朱 白 黒 黄 五色の食材を使えば、栄養的のバランスが良く、色彩からも食欲も出ます。この五色は四季、春夏秋冬の日本での色でもあるのです。会席料理・懐石料理などは、この五原則が用いられています。 基本作法 ・ 和室には、基本座って入室します。ただ、和室でも椅子とテーブルが用意されている場合は立って入ります。 ・ 部屋の中に座布団が置かれていたら、、座 …
食事は多くは各家庭で行われます。人はお母さんのお腹の中から出たら食べていかないと生きていけません。 日本には古くから伝わる「お喰い初め」という儀式があります。赤ちゃんが生まれて100日目に、歯が丈夫で一生食べるのに困らないように、という願いを込めて、赤ちゃんに石を噛ませたり(実際はまねごと)タコを食べさせたりする儀式です。 お喰い初めのお膳には、家紋を入れて、儀式用の塗のお椀などを新調します。一生に一度しか使わないかもしれない食器です。不経済で、贅沢品ともいえるでしょう。 しかし、成長した子供が、その食器を見て、お喰い初めのことを聞かされてとき、自分自身の誕生を喜んでくれる親がいる、または、両 …
七五三の日はご存知でしょうか。昨今のお若いご両親はお子さんの「七五三」はなさいますが、十一月中に神社詣ですればよいと考えられて織られる方が多いのでは? もちろん、忙しい時代なのでご都合の良い時にされたらいいのですが、正式には七五三の日は十一月十五日となります。 徳川綱吉の長男である徳松君の宮参りを十一月十五日に行ったことが始まりという説が有力です。 では、何故十一月十五日なのでしょう。十一月は収穫の月です。そして、その年で十五日が「鬼宿日」となり、嫁取り以外は何をしても良い日だったのです。 そのうえ、十五日です。旧暦では十五日は満月。七五三は徳川時代が起原となっているので、関東の慣習として広ま …
1.結婚の作法 歴史からみる婚礼 時代によって結婚の形が変わってきています。奈良時代・平安時代は「婿入り婚」「通い婚」が主流でした。女性が、男性の申し出を受け入れ、婚姻関係が成立すると、男性が女性宅を訪れるという形です。 武家社会になると、反対に、女性が男性の家に入るという「嫁入り」が多くなります。室町時代には結婚の儀礼が確立し、一般庶民にも広がり、「嫁入り婚」が主流となり、現代までも続いています。 最近はほとんど「仲人」を立てませんが、かつては「仲人」を立てるのが一般的でした。「仲人」とは、男女の仲を取り持つ仲介者のことです。仲人は両家の身分や経済状態、職業などを考慮して男女の仲を取り持ち、 …
神道での儀式 人はどこから来て、命が絶えたらどこへ行くのでしょうか。 体は借り物、と祖母が言っていたのを思い出します。借り物の身体が機能しなくなったら、魂はどこへ帰るのでしょう。どこにも帰らず、大切な人の傍に居続けるのでしょうか。 これは人間の永遠の疑問です。輪廻転生は本当にあるのか。あの世の存在を信じるのでしょうか。さて、人生最後の旅立ち、最後のお別れの儀式について考えてみることにします。 そもそも儀式には国によって、また、宗教や地域によって違いがあります。神道も仏教伝来以降は宗教として認知されています。日本古来の宗教、神道には明治時代までは葬式が在りませんでした。死は「穢れ」なので、神を祭 …