短期大学卒業後大手地方銀行に長年勤務 着付けを習うことで、日本の文化に興味を持つ全日本作法会で20年以上、作法に携わる。 企業や大学にてマナー研修を実施
今年も残すところ二週間となります。お正月のことをお伝えします。 その前に、「〆」について、前回触れてなかったので、今回記述しておきたいと思います。 「〆」は封筒や関西包みの金封の口を糊づけして、書きます。意味は糊づけして塞ぎました、閉めましたということを表示しているのです。これは「メ」ではなく「〆」ですから間違わないように。「〆」のハネを上に持っていくか、下に持っていくかは、お相手が目上か目下かで区別していました。現代はそういう区別はせず、中ぐらいにしています。 さて、お正月です。お正月とは何でしょう。どなたにも12月31日はやってきます。その次の日は1月1日です。新しい年は始まりますが、なぜ …
門松 歳神様が降りてこられる時の目印として、家の前に飾ります。平安時代からは松が立てられるようになったのですが、それまでは杉の木などが立てられていたようです。 注連縄(しめなわ) 掃除が終わってから、清浄で神聖な場所を表わすしるしです。降臨された神様を家に招き入れるために、玄関などに飾ります。 鏡餅 神様への供物で神の力が宿ると云われています。餅はもともと、ハレの日に神様に捧げる神聖な食べ物とされてきました。鏡のように円形にしています。また、大小二つは、太陽(陽)と月(陰)を表わしています。年末に各家庭で餅つきを行っていましたが、十二月三十一日は一夜餅、十二月二十九日は苦が付くとなり、こ …
和名月をご存知でしょうか。一年十二カ月の各月に名前が付いています。 一月は睦月(むつき)。一月は一年の始まり月。正月ともいいます。家族、親戚や友人たちと新年のお祝いに集まり、仲睦まじく交流する月です。 二月は如月(きさらぎ)。寒さをしのぐため着がさねする「衣更着(きぬさらぎ)」ところから。 三月は弥生(やよい)。「草木弥生月(くさきやおいつき)」の意味。草木がますます生い茂る、成長するということ。 四月は卯月(うづき)。ユキノシタ科の落葉低木である卯の花が咲くころ。 五月は皐月(さつき)。田植えを行う「皐苗月」の略。「さ」は田んぼの神様を表わすという説もある。 六月は水無月(みなづき)。梅雨が …
一月の第二月曜は成人式です。娘さんたちは振袖で式に出席されます。普段はジーパン姿が多い娘さんも、この日だけは和服です。着物は世界中の女性が憧れる日本の民族衣装です。振袖は、とても華やかで全体に柄があります。それに合わせる帯も金銀、色も多彩。柄と柄を合わせてもおかしくなく、むしろ着物、帯それぞれがより映えるように引き立てる役割をしているのです。このような衣装はどこにもありません。 振袖柄もあでやかですが、日本の色が中心なので、日本女性によく似合います。着物と帯だけで充分あでやかなので、ピアスやイヤリングなどのアクセサリーは不必要であり、付けると着物が死んでしまいます。また、流行りのネイルもしない …
よく、作法・マナーを語る時に、「格が上」とか「格が高い」という表現をします。意味は、一言ではいいにくいのですが、より正式というところでしょうか。そのものによっても違ってはくるのですが。 例えば、衣服の場合を考えてみましょう。女性の洋装であるなら、ドレス、ワンピース、スーツという順になります。スーツよりワンピースの方が格上ということに意外だと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。 スーツは上下、別々にして使用することができます。とても便利な面はあります。一方、ワンピースは別々にして着る事はできません。なので、格が上ということです。ワンピースよりもドレスが上になります。ドレスは着て行く場所 …