諺に、「鳶は鷹を産まない」「南瓜の蔓に西瓜はできない」というのがあり、更に支那の古書(「左氏傳」)には、「肉食者は鄙(いや)し」(生まれながらにして富貴の境遇にある者は、自ずから凡庸・懦弱・不肖者となる傾向がある)という指摘もあり、徳川末期に於いては、世襲の大名・旗本・上士が例外を除いて、概ね役に立たない代物となっていったのは、時運の趨勢であったのであろうが、清朝末期の満洲八旗軍が無用の長物であったように、三河武士を中枢とした旗本八萬騎も同様に、一切役に立たない存在となっていた。 「凡そ旧制度の頽廃は、新制度の発起を意味し、旧勢力の分解は、新勢力の凝結を意味す。我が孝明天皇時代の初期は、正に …
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