建設経済新聞社 since 1957 京都から発信する論壇マガジン

もうずいぶん昔のことですが、初恋というものを経験した時、ラブレターというものを書いたことがあります。同級生の女の子を何故か急に意識し始めて、顔を見て話も出来なくなり、ついには、友達に相談して、ラブレターを書くことにしました。何を書いたのか、まったく記憶は残っておりません。今読むと、恥ずかしくなるような文章だったと思います。何度も書き直して、ポストに投函して、それだけで満足していたような記憶だけが、残っております。ということは、結果は、明らかなのですが。 スマホが普及している現在、恋心を伝える術は、やはり、ＬＩＮＥなのでしょうか？ラブレターを出すなんてことは、殆ど無いのかもしれません。でも、ＩＴ …

日本人は、会議が好きとよく言われます。会社員時代、私も、会議、会議で、いい加減にしてくれと何度も思っていました。こんなに会議ばかりする理由が、解りませんでした。でも、日本の神話を学びだして、その理由がちょっと解ったような気がしています。何故なら、神代の時代から、話し合いばかりしているのですから。 神話の中でも、神々は、何か問題が起こるたびに、話し合いを始めるのです。独断専行で行動するなんてことは、ほとんどないのです。皆で集まって、話し合いをして、問題の解決策を考えているのです。そんな話し合いで、一番有名なのは、天の岩戸の物語です。 注意しても聞かない、弟スサノオの乱暴な振る舞いとそんなスサノオ …

神話の中には、日本で最初の〇〇というものがたくさんあります。日本で最初の夫婦ゲンカ、日本で最初の引きこもり、日本で最初の育児放棄など。いろいろ出てきます。 ４回目の連載では、日本で最初の夫婦ゲンカを紹介しました。今回は、日本で最初の兄弟ゲンカを紹介します。当事者は、姉のアマテラスと弟のスサノオ。日本の国を造った夫婦の神様、イザナギ、イザナミ。そのイザナミが、亡くなった妻イザナギを黄泉の国から連れ戻そうとして、失敗して、戻ってきて行った禊（みそぎ）の 最後に生まれて来た３柱の神様の内の２柱の神様です。 イザナギは、アマテラスに天上界（高天原（たかあまはら））を治めるように、スサノオに大海原を治め …

前回は、黄泉の国から帰ってきたイザナギの禊（みそぎ）のお話をしました。禊（みそぎ）の中でも、たくさんの神様が生まれてくるのですが、最後に生まれてきた神様。三貴神、三柱の貴い神様と呼ばれています。（神様の数を数える場合は、柱（はしら）が単位になります。） イザナギが左目を洗った時に生まれたのがアマテラス、右目を洗った時に生まれたのがツクヨミ、鼻を洗った時に生まれてきたのがスサノオという神様です。イザナギは、貴い神様が生まれてきたので、自分の国造りの使命が終わった、あとはこの神様達にまかせようと引退をして、多賀という場所に隠遁します。この多賀という場所、兵庫県の淡路島と滋賀県にあり、そこにが伊弉諾 …

参議院選挙が近づいてきました。「みそぎを済ませてきました。」という候補者のコメントを昔、聞いたことがあります。不祥事で辞職した政治家が、再び、選挙に立候補した時のテレビのインタヴューの中だったと思います。 ”みそぎ”って、どういう言葉なのでしょうか？意味を辞書で、調べてみました。”みそぎ”とは、”海や川の水で体を清め、罪やけがれを洗い流すこと”と書かれていました。この言葉のルーツも、日本神話の中にあります。イザナミとイザナミの国産み神話の中のお話です。 イザナミは、火の神様を生む時に大ヤケドを負い亡くなって、黄泉（よみ）の国に旅立ちます。イザナギは、イザナミを連れ戻すために黄泉の国に向かいます …